第4景 ~花火に……照らされて~

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ほんの少し歩きながら話を聞く筈だったんだけど、既に僕らは三本目の缶ジュースを半分飲んでしまっている。 「松本さん、いい加減なんかいってよ」 僕の言葉が聞こえたのか聞こえていないのか俯いたままただ、隣を歩く松本さん 。 「うーーん……」 困った……、せっかくの休みがこんな事でつぶれていく。 僕の予定では、まったりと寝て、起きたらマクドにいってビックマック食べて、本屋で立ち読みしてもいいなぁ。 それからDVD借りてきいの、夜中まで見て眠くなったら寝るみたいな。 でも…… 「あのさ、こんな事してても埒あかなんし、さっきから聞いてっけど、今日は何しにきたんだよ」 「手紙……」 「手紙ってこの間の?」 「読んでくれた……」 「ああ、あれ。みたよ」 (ああ、やっと話が進む) 「え……とね、それでね……返事が聞きたくて」 (はぁ?返事?!) 「返事って……」 「やっぱり!!聞きたくない!」 今までの声の小さい人とは思えない声だった。 「松本さん、あのさ、あれ……」 「やっぱりいいです。つれ回してごめんなさい。じゃあ、また!」 「松本さーーん!」 取りつく島がないってこんなことをいうんだろうなぁ、またも脱兎のごとく彼女は走り去っていった。
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