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車内は車窓を背にして座るタイプの長いすと吊革がぶら下がっているタイプ。
推理小説風にいうと……乗客は僕を入れて6人。
1人はいつも朝乗車している行商のおばちゃん、通称“かごばあ”。
かごばあは僕の座る座席側で、もう一つの出入り口に近い一番端に籠を足元に置き両足で挟んで固定しながら座っている。
1人は向かいの長椅子の真ん中にだぼついた服装の男の子が帽子を目深にかぶり、足を組んで座っているし。
いわゆるダンス系男子だね。
他にも反対の出入り口近くに年配の男性が一人と1両目に続く通路ドアの前に一人と立っている。
それに僕の向かいに隣町のK女子校の制服を着ている女の子。
(お!ラッキー!!美人さんだ)
女子高生、美人!普通の男子高校生には一瞬のトキメキそのもの。
(ああいう子が彼女だったら……自慢しまくるのになぁ)
想像してみる。
彼女は密かに僕のことをいつも見ていて……
(自分がみてないところがミソだね)
ある日、彼女のカバンから落ちたものを僕が拾って渡す。
そして……
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