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『ご乗車ありがとうございました。次はK病院前、K病院前ぇ!降り口左になります。
ご乗車ありがとうございました』
唐突なアナウンスが僕を現実に引き戻した。
向かいの女の子が読んでいた本を鞄に入れながら立ち上がる。
(あーあ、現実は厳しい……)
まあ、あり得ない事を想像する楽しみなだけなんだけど……
何せ乗車時間が長いもんで、こんなことでも考えてないと気がおかしくなっちまう。
そんな僕の気も知らないで彼女は鞄の中を探りながら僕の隣にあるドアへと寄ってきた。
(あと20分、何で気を紛らわせようかなぁ
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