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「君!ちょっと!」
少しハスキーな声に我に返った僕の目の前にいつのまにか立ち、ダンス系男子がしゃがみ込んでナプキンをさっと拾い上げた。
「落としたよ。女の子がそのまま鞄に入れるもんじゃないよ。
こんなことがあると大変だしね、そしてそこのキミもしらんふりしない!」
(え?!俺まで!!なんか見抜かれてる?!)
K女の彼女は困惑してるし、僕は苦笑いするしかなかった。
『ご乗車ありがとうございました。
K病院、K病院前ぇ!降り口左になります。足元にお気をつけください』
驚くほどタイミングがいい車内アナウンスにさっきまで焦っていたのが嘘のようにほっとしてしまった僕。
思わず吹き出してしまった。
「笑い事じゃない学生!男なら女性にさり気ないフォローができないと」
(へいへい、余計なお世話だよ)
女子高生は恥ずかしそうにダンス系男子にお礼を言って足早に降りて行った。
(俺、カッコ悪~)
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