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自分の拳を軽くおでこに当てて頭を抱えた。恥ずかしさに顔を上げることもできない。
(俺、あと20分どんだけ羞恥心にさいなまれないといけないじゃあ!!)
乗車時間経過して席に戻ろうとしたダンス系男子が足を止めた。
「君、大丈夫?」
ダンス系男子が目深にかぶったダメージ帽子からのぞくように僕を見る。
(へ?!)
その視線が僕の何を見ているのか困惑していると、温かい何かが落ちて制服のズボンを染めた。
「君?!しっかりて!誰か車掌を呼んでください!!」
ダンス系男子が駆け寄り僕の頭を抱える。
その声が遠退き、視界が黒くなる。
僕の顔を覗き込むダンス系男子の顔がかすんでよく見えない。
(あれ?こいつ……女みたいな顔してる……)
記憶はこの辺りからなくなった。
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