第2景 ~桜……舞う~

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「……じ…い…」 「……じゅんぺい……潤平……潤平!!起きないサイ!!!」 僕を呼ぶ声がはっきりしてきだした。 (……誰だよ) 半端に開いた目であたりがよくわからない。 ぼやけてピントの合わない視界。 黒ずんだ世界に相変わらず無駄に美人な亜矢子の顔。 (あれ、なんで亜矢子がいるんだ?汽車……じゃないのか!?) 「ここ……どこ?ってか、亜矢子 何してんだ?」 亜矢子の顔が心配から迷惑そうな表情へとみるみる変化する。 「あんたね、汽車の中で鼻血出して倒れたのよ!」 (いやいや、答えになってないって……) 「そこに、またまた私が携帯にかけたもんだから……」 (だから、なんでお前がここにいるんだっつーの?!) はっきりし始めた意識で自分の状況を把握してみる。 多分鼻血を出して倒れたせいだろう、出血を抑えるため冷たいタオルが僕の首に当てられている。 それから座布団を即席の枕して横になっているようだ。 固い畳の上で横になっていたせいか、体が少し重い。
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