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駅員さんは忙しいのか、“気分がよくなるまで使っていいよ、後はよろしく”とかいって足早に事務所に戻っていっちゃった。
気になるのは、部屋を出る駅員さんが何故かダンス系男子に会釈して行った事。
何でだろう……
僕はというとあの事の後なのに気分は大分落ち着いた。
学校に行かないとまずいだろうがていのいい口実も出来たことだし、そろそろ家に帰ってもいいだろう……
「もしかして学校のこと気にしてるの、潤平。優しい私が持ってきたよプリント。気が利くでしよ」
絶対に亜矢子は僕の心情を読んでか、どや顔で僕を見つめている。
亜矢子の子の顔は絶対に楽しんでいる、間違いない。
(また……また借りができてしまった……)
近くにかけてあった上着を羽織りながら目を伏せる自分がいた。
そう、亜矢子は家族以外で唯一僕の不思議な力の事を理解してくれている。
お陰で何かあるとフォローしてくれるのも亜矢子なもんでどんどん亜矢子に頭があがらなくなっていく。
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