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「で、何が見えたのよ……」
興味津々の眼差しで亜矢子が僕の耳元で囁く。
びっくりした!
反射的に後退り、慌て過ぎたせいか、豪快に手首を捻って転がってしまった僕。
近い!亜矢子、近すぎ!!亜矢子の息がかかった首筋がくすぐったい。
「ここまでしてあげたのに隠し事!? いいの? そんな事してさぁ……」
ずずいと僕に迫る亜矢子の目が怖い。
(いや!そういう問題じゃないだろう!?)
「何すんだよ!?! びっくりすっだろ!!」
「あー、ごめん、ごめん。 で、教えてよ~ 何が見えたの?」
「まあ……後でな」
「今でもいいじゃん!」
(あのなぁ)
視線と仕草で亜矢子の後ろを示した。
納得いったのハイハイと答えながら亜矢子は僕から離れていく。
ちょっと残念に思うのはやっぱり僕が男で亜矢子が女だからかな。
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