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「荷物取りにいこう!」
(えっ?!マジ?!)
「荷物どこにおいてる?」
「ああーえーと、校門でこの学校の生徒会の人に預けて……あっ!番号札渡されたっす!」
確かブレザーの内ポケットに入れた気がする。
“3-2”っとある。
「職員室に行ってきこう、一緒にいくから」
先生の行動力に万歳!
なんでだろう、凄く気分がいい!
坂本の気もしらないまま会釈して駆け出す先生を僕は清々しい気持ちで追い掛けた。
(まあ、携帯出すタイミングを間違えないようにしないとなぁ……)
ちょっとリスクはあるけど、坂本を出し抜いちまった。
季節にあわない程、太陽の光が容赦なく降り注がれている。
グランドから沸きあがる熱気が辺りに蜃気楼を起こす。
(異常気象だありえん!)
少し体を動かしただけなのに汗が滲む。
僕の目に映る先生の姿は揺れる大気の中にあってくっきりと映っていた。
(なんか浮き彫りみたいだ)
意志とは反してわくわくしてくるのを抑えていたはずなのに先生に追い付くために僕はいつの間にかピッチを上げていた。
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