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H高校では外でソフトとハンドボール、中で体操競技が行われている。
暑いのも面倒だし、ブレザーも脱ぐの面倒だし、ましな体育館の競技を観戦していた。
ここはこの辺で一番の進学校だけあり体育館もでかい。
外では威勢よく声をだし頑張っているハンド選手とそれを応援している奴らの声が響いてく。
二階フロアーも広くて結構人がいるのに余裕って感じで館内競技を見下ろせる。
見下ろしながら床運動をみていると誰かが上着の裾を引っ張る。
“借り1追加よ!”と遅れてきた亜矢子が振り向きぎわに僕の腹に一発お見舞いしながら耳元でいった言葉だった。
昼食前の点呼に間に合うように亜矢子はきたけど、終始機嫌が悪い。
たぶん、母親と何かあったんだろう。
亜矢子があんな態度をとるときは大抵母親絡みだから。
「きいて欲しくないか?」
体育館の階段を降りる亜矢子にぶつけてみた。
選ぶのは亜矢子だと思って一応きいてみる。
「欲しくない……てか、先生にケーバン教えてないでしょうねぇ」
「してねぇよ、大体携帯に俺の着信が出ただろうが!」
「そうね……」
ああ!頭が痒くもないのに掻きたくなる。
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