第4景 ~花火に……照らされて~

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「覚えてる?!二年のとき一緒だった松本だけど……」 ああ!と笑顔で応えてみたが…… (いたっけ?覚えてないや……てかこれって) 何?このシチュエーション!少し離れた二人女子、目の前に僕を知っている僕の知らない女子が立っている。 堅太郎が告られてる場に居合わせたことはあったけど。 (お初じゃん、俺!) ウキウキする傍らやっぱり相手に覚えはない。 気が付くと他の生徒は疎らになり、僕等が目立ってきた。 (まずいなぁ) 腹は鳴るし、焦るし、暑いし、視線かんじるし。 うん?この視線は何処から感じるんだ?! 顔をあまり動かさないように目だけで辺りを探る。 サブグラウンド脇、プール入り口の隣に木立がある。 (違うなぁ……) 体育館へ続く渡り廊下のとこ、数人の生徒がいるが…… (違う……) サブグラウンドとメイングランドの間にある駐車場、数人の生徒と先生が集まっている。 (先生?!) 集まっている他校の先生と生徒会の生徒の中にいて、きょとんとした眼差しでこっちをみてる。 僕と目が合ってそらしてくれるかとちょっと期待してしまった。 (少しは気になってくれるかな) けど、何も見なかったかのように顔色も変えずにまた話に加わった。 何だ、ガックリ。 (まあ、予想通りなんですけどね……残念。うん?何で残念なんだかな) 奇妙な気分になる。
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