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「覚えてる?!二年のとき一緒だった松本だけど……」
ああ!と笑顔で応えてみたが……
(いたっけ?覚えてないや……てかこれって)
何?このシチュエーション!少し離れた二人女子、目の前に僕を知っている僕の知らない女子が立っている。
堅太郎が告られてる場に居合わせたことはあったけど。
(お初じゃん、俺!)
ウキウキする傍らやっぱり相手に覚えはない。
気が付くと他の生徒は疎らになり、僕等が目立ってきた。
(まずいなぁ)
腹は鳴るし、焦るし、暑いし、視線かんじるし。
うん?この視線は何処から感じるんだ?!
顔をあまり動かさないように目だけで辺りを探る。
サブグラウンド脇、プール入り口の隣に木立がある。
(違うなぁ……)
体育館へ続く渡り廊下のとこ、数人の生徒がいるが……
(違う……)
サブグラウンドとメイングランドの間にある駐車場、数人の生徒と先生が集まっている。
(先生?!)
集まっている他校の先生と生徒会の生徒の中にいて、きょとんとした眼差しでこっちをみてる。
僕と目が合ってそらしてくれるかとちょっと期待してしまった。
(少しは気になってくれるかな)
けど、何も見なかったかのように顔色も変えずにまた話に加わった。
何だ、ガックリ。
(まあ、予想通りなんですけどね……残念。うん?何で残念なんだかな)
奇妙な気分になる。
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