720人が本棚に入れています
本棚に追加
「マジk「雪菜ぁぁぁあ!!!」………グホッ!!!」
目が合った、ということは、あちらがこちらを見つけたということで。
まるで女神を見つけたかのように、そいつは雪菜の名を呼んで抱きついてきた。
巨体な体が突進してきたのだから、それに雪菜が耐えられるわけがなく。
ドシャァと雪が積もった道に崩れ落ちた。
………うん、重い。
そして、痛い。
「ううう………助かったぜぇぇえ!!!俺、俺ぇ……」
涙と鼻水でビチョビチョな顔を着物に擦り付けられて、ヒクッと頬が引きつる雪菜。
そんなことにはちっとも気づかないそいつは、あろうことか鼻水を拭いてこようとしたから、つい、
「ベタベタくっついてくんじゃねぇぇぇぇえええええ!!!!」
雪菜の48の必殺技の1つ、バックドロップで、そいつを吹き飛ばした。
………で、そいつの正体、それは。
「原田さん!!!アンタこんなとこで何やってんだよ!!?」
そう、ずっと探していた原田だったのだ。
必死に探していたにも関わらず、こんなにあっさりと見つかるとは、誰が想像しただろうか。
真っ先に島原を探した山崎も、驚いた表情で原田を見ている。
「いってぇ………いきなり殴ることねぇだろ!!?」
「それはアンタがそんな顔で抱きついてきただろうが!!!」
「だって……感動の再開ってやつが嬉しくてよ……」
「全然、全く、これっぽっちも感動じゃないから!!!てか、そんなことはどうでもいいんだよ!!!何でこんなとこにいんのか納得がいくように説明してもらおうか?あ゙?」
そのへんの不良もビビるくらいの勢いで、雪菜は原田の胸ぐらを掴んで問い詰める。
その後ろにいる山崎も、背後からジワジワと黒いものが淀みでていて、原田に逃げ場はない。
再び涙を溜めながら、原田はこんなことになった経緯を話し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!