山崎 丞と迷子の話

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「マジk「雪菜ぁぁぁあ!!!」………グホッ!!!」 目が合った、ということは、あちらがこちらを見つけたということで。 まるで女神を見つけたかのように、そいつは雪菜の名を呼んで抱きついてきた。 巨体な体が突進してきたのだから、それに雪菜が耐えられるわけがなく。 ドシャァと雪が積もった道に崩れ落ちた。 ………うん、重い。 そして、痛い。 「ううう………助かったぜぇぇえ!!!俺、俺ぇ……」 涙と鼻水でビチョビチョな顔を着物に擦り付けられて、ヒクッと頬が引きつる雪菜。 そんなことにはちっとも気づかないそいつは、あろうことか鼻水を拭いてこようとしたから、つい、 「ベタベタくっついてくんじゃねぇぇぇぇえええええ!!!!」 雪菜の48の必殺技の1つ、バックドロップで、そいつを吹き飛ばした。 ………で、そいつの正体、それは。 「原田さん!!!アンタこんなとこで何やってんだよ!!?」 そう、ずっと探していた原田だったのだ。 必死に探していたにも関わらず、こんなにあっさりと見つかるとは、誰が想像しただろうか。 真っ先に島原を探した山崎も、驚いた表情で原田を見ている。 「いってぇ………いきなり殴ることねぇだろ!!?」 「それはアンタがそんな顔で抱きついてきただろうが!!!」 「だって……感動の再開ってやつが嬉しくてよ……」 「全然、全く、これっぽっちも感動じゃないから!!!てか、そんなことはどうでもいいんだよ!!!何でこんなとこにいんのか納得がいくように説明してもらおうか?あ゙?」 そのへんの不良もビビるくらいの勢いで、雪菜は原田の胸ぐらを掴んで問い詰める。 その後ろにいる山崎も、背後からジワジワと黒いものが淀みでていて、原田に逃げ場はない。 再び涙を溜めながら、原田はこんなことになった経緯を話し始めた。
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