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「てめェはいつもいつも───」
「…………」
「周りは見ねェし落ち着かねェし───」
「……くかー」
「説教中に寝てんじゃねェ!!!」
「ウボッ!!?」
ゴンッ!!と今日2度目のげんこつを頂戴する。
やはり、何度喰らっても慣れるものではない。
ていうか、慣れるほど喰らう人なんているのだろうか?
「雪菜様?てめェ、よっぽど死にてェみてェだなァ?」
「まだ気に入ってんのかよその呼び方!!!……土方さんの話が長いんで……つい」
「話を長くさせてんのはてめェだろォが!!!」
「あたしかよ!!?」
「てめェ以外に誰がいるんだ?」
「………沖田さんとか」
「確かにアイツもそうとうな悪ガキだが………て、今俺が話してんのはてめェのことなんだよ!!!説教から逃れてェからって適当なこと言ってんじゃねェぞ!!?」
二度あることは三度ある、ということわざがあるが……まさしくそれ。
三度、ゴンッ!!という音が、雪菜の頭に響いて……。
グワングワンと脳みそが揺れている。
シュー……とやられたところから湯気がでているのは、やられた本人は知らない。
「ったく、もういい。てめェの相手をまともにしてたら、俺までバカになっちまう」
「え、土方さんってもともとバカじゃ」
「うっせェ!!!さっさと散れ!!!」
「ひぃぃぃい!!!」
ドンッ!!とお尻を蹴られ、ムリヤリ部屋から追い出された。
なんだよ、引きずってったのはあっちのくせに。
てか、あたしは何か悪いことをしたのか?
あくまでも、自分が悪いとは認めない………否、気づかない雪菜。
ここまでいくと、怒りを通り越して哀れに思えてくる。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべつつ、雪菜はその場を去った。
………このときの雪菜は、まだ知らない。
これから起こる、大事件を……。
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