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「あは、あははははは!!!」
「……あの」
「あーっはっはっはっはっはっは!!!」
「……おーい」
あれから雪菜は、台所にきていた。
目的は特にないが、女中業をしてきた癖なのか、足が台所へ向かうのだ。
するとそこに、おやつを探しに来ていた沖田とばったり会って。
で、さっきの話をしたら大笑いされたのだ。
「はぁ、はぁ。そんなおもしろいことがあったなんて!!どうして教えてくれなかったんですか?」
「あなたにわざわざ教える理由が見当たらないのですが」
「はぁ、もうお腹がよじれて痛いです。この慰謝料は高いですよ?」
「馬鹿笑いされて慰謝料まで払うとな!!?どんだけ悪魔なんだアンタは!!!」
思わず叫ぶと、沖田は「冗談ですよ」とケラケラ笑い、スッと立ち上がった。
どうやらおやつ探しを再開するようだ。
ここで教えてあげてもいいけど、馬鹿笑いされた恨みがある、教えてやーんない。
「雪菜さん、僕のおやつはどこですか?」
「さあ?頑張って探してください。宝探しだと思えば楽しいですよ?」
そう言えば、原田あたりは引っかかってくれるのだが。
さすがに、沖田には通用しなかった。
いつものスマイルを浮かべつつ、スラリと抜いたそれ。
それを、何の迷いもなく雪菜に向ける。
みなさん、もうおわかりですね?
「宝探しは近所の子どもたちとだけで十分です。早く出さないと……ね?」
「ひぃぃぃい!!!」
ニコニコ笑って向けてるもの、それは、
KA☆TA☆NA
「わわわわかりました!!!だから早く刀を納めてくださいぃぃぃい!!!」
目に涙を溜めてそう懇願すると、沖田はニッコリ笑って頷き、納めてくれた。
他の人もだけど、すぐに凶器を向けてくるのほんとにやめて欲しい。
マジ切実に。
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