720人が本棚に入れています
本棚に追加
「やった!いただきまーす!!」
嬉しそうに、雪菜は大福を口に入れた。
モチモチとした食感がたまらない。
抹茶のサッパリした味も、あんことあっていておいしい。
「おいしーい!!沖田さん、もうひとつください!!」
「欲張りですねぇ。そんなに食べると太りますよ」
「大福ふたつで太るヤツなんかいませんよーだ」
べー、と舌を出してそう宣言すると、ふたつ目の大福を手に取る。
けど、モッチリ感のある大福は、水気がないから、飲み物がないとちょっとつらい。
雪菜はそれを食べる前に、お茶を用意しようと流しへ向かった。
「あ、僕のもください」
そんな声を背中で受けつつ、慣れた手付きでお茶をつくる。
そして、ふたつのお茶を大福の横に置いた。
「僕、冷たいのがよかったんですけど」
「文句言うなら自分で作ってください」
文句を呟く沖田を横目に、ズズズ……とお茶をすする。
さて、ふたつ目の大福を……。
「あれ……?」
目がトローンとしてきた。
暖かな日差しを浴びてて、眠くなったのかな?
大福を食べるまで寝れない……そう耐えつつも、やはり睡魔には勝てなくて。
コテンと横になると、スヤスヤと眠ってしまった。
それからすぐに、沖田も眠ってしまう。
それが、事件の始まりだった……。
最初のコメントを投稿しよう!