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「……な……さ……」
暗闇の中から、かすかに声が聞こえる。
これは……沖田アンチキショーだな?
「ゆ……さ……」
そういえば、2つ目の大福食べてない……。
……沖田に食べられるぅぅぅう!!!
「沖田ぁぁあ!!!あたしの大福食べてんじゃねぇぇぇえ!!!」
「うわっ、いきなり飛び起きないでくださいよ。てか、大福食べてないですし」
大福を食べられたくないあまり、すばやく夢から生還したのだけど。
隣から聞こえてくる沖田の声が、いつもと少し違う気がする。
ちょっと高めというか、子どもっぽいというか……。
頭の上にクエスチョンマークを浮かばせつつ、沖田がいると思われる方を向いたら。
「……………」
「……………」
……これは、何の罰ゲームでしょうか?
それとも、悪い夢?
うん、そうだ、夢だ夢。
「これは夢だ、あははは」
「ちょっと、現実逃避しないでください。現実ですから、これ」
「へー、現実かー。…………………んなわけあるかぁぁぁあ!!!」
だって!!!
沖田さんが、
ち っ ち ゃ く
なってるんだけどぉぉぉお!!!?
もともと小さいけど、この小ささはありえないだろぉぉお!!!
「現実ですよ。自分の頬をつねって見てください」
「いひゃひゃひゃ!!!あんひゃがつねってんひゃんかぁぁぁあ!!!」
ベリッと頬を捕らえていた沖田の手を引っ剥がし、スリスリと痛むところをさする。
………『痛む』。
夢じゃないじゃん……。
「何で、何でこんな………」
「落ち込むのは、自分の姿を見てからにしてください」
「自分の姿?」
そう言われて、視線を自分の体へと移す。
……そしたら。
「……ぎゃぁぁぁぁあああああ!!!!」
あたしもちっちゃくなってるぅぅぅう!!!
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