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「よし、できた…」
しばらくしたあと、あたしたちはやっとご飯を作り終えた。
だけど、ここからが大変。
ご飯を大広間へ運び、部屋にいる隊士を呼びにいかなくちゃならない。
そんなときは……。
あたしは目的の人物を見つけると、素早く袖を握った。
もはや「握った」より「掴んだ」だ。
「原田さん!」
「げ、雪菜……」
この人は、原田 左之助さん。
新撰組1、2を争う超イケメン。
天然でKYすぎるのがキズだけれど。
正直、かなりもったいないと思う。
「まさか……」
「はい、そのまさかです。手伝ってください!」
ニコッと精一杯の笑顔で言うと、原田さんはハァッとため息をついて、
「わぁったよ」
と言った。
「やった!ありがとうございます!!」
「その代わり、今度……」
「お断りします」
「まだ何も言ってねぇじゃねぇか!!」
「どうせ……。『今度なんか奢ってくれ』とかでしょう?」
そう言うと、原田さんの顔が少しひきつった。
どうやら図星のようだ。
「とりあえず、お願いしますね!」
あたしは苦笑いしながらそう言うと、急いで隊士を呼びに言った。
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