終章

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 龍を刀に封印してから数日後――。  五稜郭から霊神の城が消えた。 「慶臣!」  鳥明の背に乗って地上へ降りてきた琴葉が叫ぶ。 「琴葉。どうだった?」 「駄目ね。全然見つからない」 「……そうか」  首を左右に振る琴葉に、慶臣は小さくため息をついた。  あの日、霊神・妖怪ともに多くの犠牲者を出した戦が終わる頃、巳陰と羽陽の姿が消えていた。 「巳陰様と羽陽様、いったいどこに行ったのかしら……」 「……さぁな。これだけ捜しても見つからないんだ。もう、函館の外にいるのかもしれない」 「……そうだとしたら、この先、霊神はどうするの?」  不安げな表情で訴えかける琴葉に、慶臣は真っすぐに視線を向けた。 「やることなんて決まってるだろ。人と妖が共存できる世界を創る――、霊神は、人側の架け橋になる」  慶臣の言葉に、琴葉は一瞬、目を丸くし、クスっと小さく笑う。 「――そうね」 「休んでる暇なんてねえぞ。あいつらのところに行く」  そう言った慶臣は、琴葉とともに鳥明の背中に乗り、彼らがいる元へと向かった。
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