第四章

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 その場にいた者の熱き視線が慶臣に向けられる中、大誠と隊長達の会話が区切られる。  慶臣は大誠の思惑を知っているため、当主に選ばれたことに喜びを感じない。歓声が上げられても、慶臣の表情は一つも変わらない。冷たい顔で、皆の視線を見つめていた。 「これから、配置を分ける。仲介派組の者は刀の捜索、武道派組の者は戦の準備に当たれ。夜になれば、いつものように妖退治、および刀の捜索に加われ」 「承知しました」 「御意」 「……御意」 「…………」  話まとめる大誠にそれぞれ了解する言葉を漏らす。慶臣は返事を返さずに、頭を下げるだけだった。大誠達が立ち上がり、何処かへ向かう。  その行動に合わせるように、各々が命令通りに配置に付く。 「慶臣……。どうするの?」  大広間に残った慶臣に、琴葉が不安げに声をかけてきた。 「決まっているだろ。誰よりも早く美晴と琉衣を見つけて、倒幕したことを伝える。それから、もう勘付いているだろうが刀が狙われていることも教えてやらねえと」 「慶臣が当主ってことは、霊神を変えられる日も近いってことだよね」 「そうでもないぜ。俺達はまだ、奴の手のひらで踊らされているんだよ」 「どういうこと?」 「…………」  何も知らない琴葉に全てを話そうか迷いがあった。口を硬く閉ざし、何も映し出されなかった表情に苦悩の色が浮かぶ。
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