No Name

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僕の研究は、大学時代にアダムとイヴに半ば強制的に入らされたサークルの影響が大きい。 僕が入っていたサークル『ガイア』は、人類の幸せとは何かをとにかく追求するという団体だった。 そんな怪しいサークルにはなかなか人が集まらない。 そのことを見越したアダムとイヴは、同じ大学でも学部が異なりあまり会うことのできなかった僕達3人の居場所としてこのサークル『ガイア』を選んだのだ。 とはいえやはりサークルのメンバーは数人いるわけで、さすがに何もサークルの本来の活動に参加しないのも気が引けたため、僕達は頻繁に顔を出すようになっていった。 それまで、ほとんど無期活動休止状態だったようだが、僕達が入ったことで刺激があったからか、活動は再開された。 活動といっても、『人類の幸福のために何が必要か』という哲学的なテーマを様々な分野から考察していくというもので、宗教など科学的に証明できないものを認めない僕にも、その活動は好感が持てた。
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