No Name

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「ガイア……」 あまりのプログラムや関連機械の多さで、もうすこしで天井に届くくらい。 人の願いを天に届け、思うままに叶えられる、偉大な機械。 「うん、ガイアにしよう。名前はガイアだ」 ふと思い付いた名前は、僕の中でこの機械にピタリとハマった。 機械に名前をつけるなんて馬鹿げている気もするけれど、たまにはいいだろう。 全知全能の機械……そう、機械仕掛けのカミサマと言っても過言ではないものが完成したんだ。 確かに今まで色んなモノを開発してきて、時には天才学者と呼ばれることもあったが、このガイアの完成は、今までに得てきたどんな名声よりもはるかに嬉しい。 そして、この嬉しさがやがて全人類に広まるんだ。 「ははっ」 僕は溢れた笑い声を止めることも忘れ、アダムにメールを送った。 『完成した。君が、記念すべき【幸せな人類】の第1号だよ』
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