カミサマの末路

No Name

最近、アダムとイヴの仲が悪い。

付き合い始めてから半年経つが、どうも一緒に過ごす時間が取れないらしいのだ。

アダムこと岡田睦月<ｵｶﾀﾞﾑﾂｷ>は弁護士として、イヴこと相馬羽衣<ｱｲﾊﾞｳｲ>は看護士として、それぞれ忙しい日々を送っている。

アダムとイヴというあだ名は、僕がつけた。

由来は二人の名前からとった。

二人は僕の唯一の友人で、大学時代に知り合った。

その二人がやがて付き合い始めたのだから、このあだ名は適当だったと言えるだろう。

僕は、二人から『ハカセ』と呼ばれている。

理由はよく分からないが、おおよそ大学時代に研究に没頭していた姿に由来しているのだろう。

正確に言えば科学者なのだが、僕はあまり気にしていない。

「ハカセ、ものは相談なんだが」

そう言って、アダムが僕の研究室を訪ねてきたのはつい昨日のことだ。