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「……え?」
一瞬、冗談かと思った。
「何を言ってるんだ、イヴは君の彼女だろう」
「それはそうなんだが、今の状況がいまいち自分の中でしっくり来ないんだ。なんというか、想像していた恋愛と違うというか」
傲慢だな、と僕は内心思った。
イヴの美しさはそれこそミスキャンパスに選ばれるほどなのに、付き合っている当の本人が手に入れたがるなんて。
「研究の方はどうなんだ?」
「あ、ああ、少し落ち着いたら君達にも報告しようと思っていたところなんだけど、」
アダムは僕の目を真っ直ぐ見つめてきた。
その、あまりにも人間的な眼差しに僕は目を背ける。
「どうした?」
「いや、その……実は、もうほとんど完成なんだ。あとは微調整して、一つ重要なプログラムを組み込めば出来上がる」
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