No Name

8/15
前へ
/17ページ
次へ
欲の発散方法をしらみ潰しに無くのは不可能な話。 それならば、欲を全て満たしてしまえばいいのだ。 「いつ完成するんだ? もちろん、俺にも使わせてくれるよな?」 「ああ」 興奮のあまり身を乗り出すアダムを手で制してから、近日中に完成を報告すると伝えた。 「ハカセ、ありがとう。やっぱりお前は天才だ」 異常なほどニコニコと笑いながら、アダムは僕の肩を叩き、意気揚々と帰っていった。 その後ろ姿がまるで人間のそれと違いすぎて、僕は思わず目をそらした。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加