第四話 禁忌と偽善と侵入者

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「成功とは言えないか」  だが、まあいい、これでもいいのだ。融合自体は無事成功した、今後の為にはいち早く自身の持ち得る全ての力を把握しなければならない。  そして右目に現れる文字の羅列には、ボーナス条件達成と浮かび上がっていた。 『ボーナス条件達成ニヨリ、1000DPを取得シマシタ』  これで残るは1130DP。軽く口角を歪めるクロニアは、次なる魔物を召喚していくのだった。  コボルト4体、ゴブリン5体、土人形4体、双頭のゴブリンが1体。  残DPのほぼ全てを使いクロニアは魔物を召喚した。これより始めるのは、森の探索及び魔物の制圧。  野生の魔物なら召喚DPを生じずに融合ができ、殺せばDPが手に入る。  一石二鳥の手段を取るべく、クロニアは配下の魔物と共にダンジョンから出るのだ。  深夜に近いこの時間帯で、人気のあまりないこの森で。  まさかあんな出来事に出くわすとは、この時のクロニアは思ってもいなかった。  今試される、元勇者であり現魔王という歴史上起こり得なかった存在に、小さな試練が訪れる。  黒衣を纏いし彼は、一体何を選択するのだろうか。
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