第四話 禁忌と偽善と侵入者

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 新たな配下を引き連れる。配下は闇の精霊、影の騎士。 (確か、配下となった者のステータスは確認できた筈だ)  クロニアは右目を見開き影の騎士を見つめる。すると、幾何学的な紋様が小さく光った。 [影の騎士] [体力] 【450】 [筋力] 【380】 [耐久] 【280】 [魔力] 【450】 [知力] 【350】 [敏捷] 【300】 [スキル] 【闇属性魔法LEVEL3】 【剣術LEVEL5】 【再生能力LEVEL2】 [固有スキル] 【影属性魔法LEVEL3】 [称号] 【騎士の誇り】(1対1で敵と対峙した場合知力を除く全てのパラメーターを100~300上昇させる) 【騎士、又は騎士を目指していた者が死後濃密な魔素に当てられ発生した存在。日光を嫌い、主に夜に辺りを徘徊する。固有スキルである影属性魔法を駆使する事により他の存在の影に潜む事が可能。自身を覆う黒い靄のようなものには触れる事は不可能だが、本体には可能。しかしゴーストに近い精霊である為か血や臓物などは存在しない。戦闘力については生前の強さに依存する】 「現最強戦力じゃないか」  全身が黒い靄に覆われている鎧を着込んだ騎士。フルフェイスの兜を着けている為素顔は見えず、喋る事も無い故に静かに佇む不気味な精霊だ。  正確には足元がぼやけている為漂っているのかもしれないが、細かい事は言いっこ無しだ。  影の騎士は生前の強さに依存する。騎士の端くれ程度ならば然程強くない場合が多く、名の知れた騎士だったならば驚異的な強さを誇る場合が多い。  この個体はパラメーターを見る限り、それなりに名の知れた騎士であったのだろう。  土人形やゴブリン、コボルトを凌駕する実力を秘めた騎士。彼は契約主の背後を守るべく、不気味に漂いながら共に行軍していた。  度々遭遇する魔物を殺害、或いは捕獲しながら森の中を探索する。捕獲した魔物はクロニアお手製の頑丈な網に捕らえ、今まで名の上がっていなかった土人形達が引き摺っている状況だ。 「――――」 「……ん」  影の騎士とクロニアがほぼ同時に何かを捉えた。魔物ではない何か知性ある者が奏で出す音を、確かに捉えた。
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