素朴な疑問

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 アイシャの頬がほんのり赤く染まる。そして彼女は慌てたように俯いた。 「キラってたまに……殺し文句をサラッと言っちゃうよね」  キラとしては素直な気持ちをそのまま伝えただけだ。殺し文句という意識はさらさらない。  アイシャが俯いたまま、キラの服の袖を軽く掴む。時折、アイシャは不安になるとこの様な行動に出る。  全く、女心というものはわからない、どうしたものかと考えた末、キラはアイシャの頭に軽く手を置いて言った。 「アイシャ……俺は、アイシャ以外の他人とはほとんど話しをしないんだが」  暫しの沈黙が流れる中、虚をつかれたような表情をしたアイシャが、顔をあげてキラを見つめる。 「だから、その――心配する必要なんかないだろ。 俺はアイシャしか要らない」  そう言ってキラはアイシャを引き寄せる。アイシャの体温は温かい。 「安心したか?」  内心ドキドキしながらキラが尋ねると、アイシャは急にクスクスと笑いだし、彼に抱き寄せられたまま言った。 「うん、信じる。 大好きだよ、キラ」  どっちが殺し文句だ、と思いながら、キラは腕の中にいるアイシャをさらにきつく抱きしめたのだった。
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