ヤンデレでありツンデレ

3/3
631人が本棚に入れています
本棚に追加
/346ページ
………………のは、いいのだが。 一つ良くないことがある。 進路相談の時、俺の服に盗聴器を付けて進学予定の高校を盗み聞きし、同じ高校を目指し、受験勉強中は一日百件近くのメールを送りつけ、試験会場に向かうときも合格発表のときもストーキングし、卒業式のときは俺が告白されているところを隠れて見てた。 そんな女が、居るのだ。 俺の幼なじみでありヤンデレであり……そしてその他もろもろである女。 「おはよ、キセキ」 「……おはよう、サクヤ」 セミロングの黒髪を揺らし、少し気取った笑顔で俺と同じ高校のセーラー服に身を包むお隣さんの幼なじみ。 この女、名を、 「言っておくけどね、私がキセキを毎朝迎えにくるのはキセキが一緒に登校してくれる友達もいなくてかわいそーだなーって哀れみの思いからで、お隣さんだからついでに連れてってやるか、とかで、決してキセキのことが好きとか、そーいうんじゃないんだからね!」 ……………徒花 咲夜アダバナ サクヤという。
/346ページ

最初のコメントを投稿しよう!