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「ライファーズについては把握しておりませんでしたな……。まさか、そんな近くにいるとは、ね……」
言って、肉付きのいい首を傾げている。
「ならば、ドラクロスを中心に当たるとするかな。で、本題だが……」
「あの……その前に。例の話は本当なんでしょうか?」
エイハブに割って入ったのは、まだ若いルモンドだった。
「“青の還元”。つまり“アズ・フィニス”。そんなものが過去に行われた、と?」
これには、デイトとエイハブが同時に頷く。
「そうだ。魔力は月に還元され、魔法は消滅する。それは確かに起こった事なのだよ」
と、エイハブは表情を真剣なものへと変えた。
「ただし、何の根拠もなく行われた儀式だけどね。現に今の世界は月の光が青さを失ったりはしていないだろう?出まかせなんだよ、これはきっとね。それより今は、魔法がすべての時代だ」
デイトが珍しく、少し厳しい顔をしている。
ドラクロス王も真剣な表情だ。
「はあ……」
「そして、ライファーズには“フォーシュ”がある」
エイハブが言うと、デイトがそれに反応した。
「そう。それはおそらく、残りのライファーズ一族である、レリア=ライファーズに受け継がれているのでしょう」
今度はエイハブがデイトに反応を見せ頷いた。
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