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それはいいにしろ、この一言だけで、レリアにはさまざまな発見があった。
まず、1つ。
フェニックスはやはり、大きな身体を持っているらしい。
そして2つ目。
声は出せる。
最後に3つ目――。
「ふうん。そうなのね。それよりも、あんた。すっかり盲点だったけど、ペンダントの中から外の景色がわかってるみたいね」
この狭さでは――って、今言ったからね。
「御名答。私も3ヶ月間、お前を見てきたが、お前はなかなか機転がきくな。それに賢い」
フェニックスの声は、頭ではなく部屋内に反響した。
さっそく、声を出したらしい。
改めて聞いてみると、こっちのほうがよっぽど不思議だ。
なにせ、ペンダントから声が聞こえているのだから。
「ありがと。……明日からはいよいよ、街での聞き込みね」
フェニックスの事をまた1つ知って満足したからなのか、今度は急激に眠気が襲ってきた。
身体も頭も、疲れはピークのようだ。
「聞き込み、か」
「何よ……文句ある?」
頭がぼーっとしてきた。
「文句はないさ。ただ、確かめる」
確かめる――。
天井がぼんやりと見えていた。
「お前がリフクレアについてしゃべらないなら、この目で直接確かめてやる、という事だ」
生意気なやつ――。
「そうして、くれたら……」
助かるわ――。
そう言ったか言わずか、レリアの視界はゆっくりと暗転した。
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