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その頃、グロスブルグ南地区では4大大国による会議が終了し、“レリア=ライファーズ抹殺計画”がその産声を上げようとしていた。
「指名手配といっても、明日すぐに、とはいかないのでご了承を。早めに各種手続きを踏みますので」
各国のトップたちが順々に席を立つ中、エイハブが皆を一瞥した。
白髪に口髭、それになんといっても頬にある刀傷がその迫力を演出している。
いち早く、デイトが笑った。
「はっは。焦らんでもよろしいですよ。“アズ・フィニス”がすぐに行われるなど、ありえないだろうし。……それに、レリア=ライファーズの抹殺は保険のようなものですからねえ」
1パーセントの可能性でも排除するため――。
デイトはそう言った。
端で聞いていたルモンドが表情を歪める。
「保険……ですか?それで、彼女を……」
「まだ、言うかい?ルモンドくん」
「私もデイト島長の意見に賛成です」
2人に割って入ったのは、意外にも、ひとつ立場の低い位置にいるクラフトだった。
ドラクロス王も、ふくよかな首を捩曲げてその動向を見守っている。
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