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道端には、無造作に投棄されたゴミなどが散らばっているし、草木が見当たらない。
硬い硬い地面を突き破って伸びてくる雑草すら生えていないこの大地は、まるで違う世界に紛れ込んだのではないかと錯覚させられてしまう程だった。
街の人々もどこか生気が抜けてしまっているように元気がない。
声が小さい上に、何か要領を得ない会話が多いのである。
『やはり、冷たい街だな。ブレトスというのは』
フェニックスが憎らしく吐き捨てた。
「グロスブルグよ。でもほんと。こんなところ、危険がなくても住みたくないわ」
皆が一様に、グロスブルグには行かないほうがいい、と言っていた意味が今ならよくわかる。
しかもここは、以前のバルティアなどは比でないくらい独裁的なのだ。
軍国主義の名残が強いのだろうか、少しでも国に背くような行為をした者は問答無用で国へ連れ去られる。
その先どうなるのか。
なんて口に出すのすら恐ろしく、誰もが口をつぐむのだ、とレリアは住人から聞いた。
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