プロローグ

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「究極魔法まであるとなれば、どうやら決まりのようですな。……皆さんはどうです?」 「私は異論はありません」 といち早くドラクロス王が言う。 エイハブの視線はルモンドへ移る。 「は、はい。ありません……が、しかし、彼女はまだ若いんですよね……」 「はっは。ルモンド君、若い女性にはやはり情けがありますか?君はまだ若い。今は黙って私たちに従いなさい。悪くはならないからね」 デイトは、不安げな顔付きのルモンドをなだめるような態度をとった。 「さて、これまで一言も発していないベンハルト総監。君のほうはどうなんだ?」 エイハブは、頬杖をついている。 そのままの体勢で、両肘をついて手を顔の前で組む、という初めの自分のポーズを模写したようなベンハルトを、流し目で睨みつけた。 ベンハルトは真っすぐに1点を見つめていたが、聞かれて身体を起こす。 「お好きになさって下さい。僕には関係のない話ですから……」 と、不敵に笑う。 瞬時にその場の空気が張り詰めた。
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