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レリアは、そんなハーティに苦手意識を持っていた事を恥ずかしく思った。
「そうよね……。ハーティはリーサと同じ魔法学校に通ってたのよね?」
「うん、そうだよ~。昔、リーサが助けてくれたんだ~」
それからハーティに過去の話を聞いた。
魔法学校の初めの頃、うまく魔法が使えず、いじめられていた事。
それをリーサに助けられた事や、レヴァン、ニクラスと打ち解けたという話だった。
内容は初めて知るものばかりだった。
それも当たり前だった。
今日まで彼女に心を開いていなかったんだから。
それが当然なのだ。
そう考えると、これまでだいぶ冷たい人生を送ってきたのかもしれない、とレリアは思ったが、それは過ぎ去った話でしかない。
変わるのはこれからだ。
現に今、ハーティとは打ち解けかけている。
いや、あまり簡単に打ち解けた、なんていうのは失礼だろうと思い直した。
もっとしっかりとハーティの話に耳を傾けよう。
レリアはそう深く決意した。
「だから、ハーティはリーサが目標だったのね」
「リーサは強くて優しいからね~。ワタシもリーサみたいになりたいな~って」
ハーティは、早くも笑顔をとり戻していた。
でも、それがいい。
ハーティにはニコニコとした笑顔が似合っているし、リーサだってそれを望んでいる事だろう。
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