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徒歩でルバーネスにたどり着くには3時間程かかった。
しかし、これでもうんと早いほうだ。
本当に1歩1歩、堅実に歩いていたならば、もっともっと10倍くらいの時間がかかった事だろう。
レリアは、交替でレヴァンとニクラスにおぶってもらった。
当然、レリアにとっては、なにがなんでも拒否をしたい程恥ずかしい事だったし、事実初めは拒否をした。
しかしそれでは、1日の内にルバーネスまでを往復する事などできなかった。
それに、わがままが言える立場でもない。
レリアは恥ずかしい気持ちを押し殺して、それを受け入れたのだった。
男の人の背の上にいるなんておかしな感じだった。
気温が低いからなのか、彼らの背中の熱がよく伝わってくる。
暖かい熱が伝わると、なんだかむず痒いような思いに駆られた。
本当に変な感じだった。
変な、変な――。
いや変とは違う、もっと単純だ。
ただただ、恥ずかしかったのだ。
恥ずかして、いたたまれなかった。
それだけのこと。
ちなみに、もしこれが怜人の背だったら――などという不謹慎な思考が働いてしまった事は、彼女の胸の中だけにしまわれた。
なんにせよ、皆が自分のために頑張ってくれている事にレリアは感謝、感謝だった。
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