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「そういえば、ジェス君のドラクロスも、軍隊のトップが代わって3年くらいですよね?ほら、あの軍隊。なんといったかな……」
デイトの視線は、ドラクロス国王、恰幅のよい体型のジェス=ドラクロスへと移った。
「ええ、まあ……」
「“ドラグーン”司令官のクラフト=ドラクールです」
ドラクロス国王を遮り、その背後に立つクラフトが頭を小さく下げた。
「そうそう、ドラグーン」
デイトは、申し訳なさそうにするも、どこか気さくな雰囲気で詫びを入れた。
「では、まあ、雑談はこれくらいにして……本日の議長はこの私、エイハブが勤めさせて頂きます」
皆が軽く会釈をした。
「先の通告をしていた通り、議題はリフクレアとライファーズについて、だ」
エイハブは肘を机に着き、顔の前で手を組んだ。
「今、ファビュールに存在するリフクレア一族は1人、そしてライファーズ一族も1人……」
エイハブはドラクロス王へ、視線を飛ばした。
その端の方で、デイトが少し眉を動かしていたが、それには誰も気づいていない。
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