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「ごめん……」
「いや、いいけどよ……。っていうか、そんな悲しそうな声出すなよな。こっちが調子狂うだろ」
そうなるの?
ならやっぱり、これからも高飛車でいこうかしら――。
「悪かったわね」
そういうと、レヴァンは憎たらしく笑い出した。
まったく面倒くさい。
「さて、僕らも中に入っていいのか?」
と、ニクラスが言う。
それと同時に後ろから歩いてきて、彼はしゃがみ込んで石板の取っ手に手をかけた。
「ええ、もちろん。……でも、何が起こるかは保障できないけどね」
聖獣を復活させた瞬間地下室が崩れてしまう、なんて事はないだろうが、ここから先は未知だ。
そう思って、レリアは一応忠告をしておいた。
とはいえ、皆来るつもりらしい。
3人は、顔を見合わせて頷いているのだ。
頼もしい限りだった。
ホープ――いや、リーズの皆がいてくれて本当によかった、とレリアは改めて感謝をした。
でないと、こんな辺境の地にはとても来れなかった。
ただ、喜ぶには早い。
そもそも、聖獣フェニックスが復活したところで、この身体が回復する保障は100パーセントではないのだ。
ニクラスが石板を持ち上げた。
あの時の怜人よりも遥かに軽々と。
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