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この3年間、鍛練を怠っていなかった証拠だ。
3年の月日は長い。
この差を埋めるためにも、これからはまた頑張らないと、とレリアは思った。
3年前、ホープメンバーの中で、魔法の実力ではレリアが1番だった。
それは間違いない。
自分の事だからこそ、レリアはよくわかっていた。
3年前――当時はそれが揺らぐ事も、もちろんなかった。
でも今は1番下。
長い間戦いから離れていた事もあり、いつの間にかそんな事は気にしなくなっていたのだ。
そう考えると、戦いは嫌だけどやっぱり1番でいたい、と再び心に炎が宿るのをレリアは感じた。
そう思うのは、やっぱり負けず嫌いだからだろうか。
そしてこの先にいる聖獣は、その願いを叶えてくれるはずだ。
お願い――。
もう1度、あたしに力を下さい。
「行くぞ」
レヴァンが指揮をとる。
「レリア~。歩ける~?」
ハーティが優しく肩を貸してくれた。
レリアよりも、15センチも身長の低いハーティにもたれてしまうのは、悪い気がする。
ただそこで昨夜の出来事がレリアの頭をよぎった。
ここは、断ってしまうよりも、甘えてしまったほうがハーティは喜んでくれるだろう、とレリアは判断した。
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