再起

6/26
前へ
/1150ページ
次へ
地下室の階段は、3年前と同じで狭くて薄暗い。 扉は腐っていてツンと鼻を刺す臭いがした。 簡単に開いたが、その時に埃が舞った。 そして、石造りの広い部屋へ。 扉を入った両隣には、書物を納めた本棚があり、中央には横長の石版がある。 首の辺りまでの高さがある石版だ。 その上には、雄大な鳥を模した石像がある。 結晶を抱いている。 結晶の中には、フェニックスがいるのだ。 「あれか……」 ニクラスが呟き、近づいていく。 レヴァンもそれを追い、物珍しそうに石像を右から左から眺めている。 レリアもハーティの力を借りて、そこへ向かった。 それに気づいたレヴァンとニクラスが、石像の正面をあけるように、左右へ別れて移動した。 「ハーティ、ありがとう」 「うん!えへへ」 ハーティが嬉しそうに、ニコニコしている。 立つだけなら、なんとか――。 と思ったけれど、やっぱり辛かった。 長くは持ちそうにない。 しかしここは踏ん張りどころと気合いを入れる。 レリアは顔をあげた。 改めて、まじまじと結晶を眺めてみた。 すると、あの時は気にならなかった情報が次々に飛び込んでくる。
/1150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3142人が本棚に入れています
本棚に追加