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やっぱり、ダメなのだろうか。
他にやっていない事は?
何かない?
不意にレリアは胸元のペンダントを思い出した。
1枚の羽根の形だ。
そして対をなすかのように、それは手の上の結晶の中にもある。
レリアは左の掌の上にペンダントを乗せた。
そして右には、結晶を乗せた。
すると、それは起こった。
唐突に、訪れた。
2つの羽根が光り輝く――。
『何年ぶりか……。ついに力を継ぐ者が現れた、か』
「えっ?」
それは不意に聞こえた。
驚いて辺りを1度見渡したが、何もなかった。
それどころか、後ろの3人はいまだ、先程と同じ顔をしていた。
それから、レリアの行動を訝った。
だからわかった。
これは頭の中に、自分の頭の中だけに聞こえた声なのだ、と。
『お前か……ライファーズの血を持つ者は』
「お前……って、どこにいるの?」
「何言ってんだ?」
「ちょっと黙ってて!」
レヴァンを制し、集中する。
『私は結晶の中にいる。ただし魂だけだが。身体はそのペンダントの中なのだ』
「なるほど、そういうことね。で、あたしはどうしたらいいのかしら?」
すると、急に声が聞こえなくなった。
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