再起

8/26
前へ
/1150ページ
次へ
やっぱり、ダメなのだろうか。 他にやっていない事は? 何かない? 不意にレリアは胸元のペンダントを思い出した。 1枚の羽根の形だ。 そして対をなすかのように、それは手の上の結晶の中にもある。 レリアは左の掌の上にペンダントを乗せた。 そして右には、結晶を乗せた。 すると、それは起こった。 唐突に、訪れた。 2つの羽根が光り輝く――。 『何年ぶりか……。ついに力を継ぐ者が現れた、か』 「えっ?」 それは不意に聞こえた。 驚いて辺りを1度見渡したが、何もなかった。 それどころか、後ろの3人はいまだ、先程と同じ顔をしていた。 それから、レリアの行動を訝った。 だからわかった。 これは頭の中に、自分の頭の中だけに聞こえた声なのだ、と。 『お前か……ライファーズの血を持つ者は』 「お前……って、どこにいるの?」 「何言ってんだ?」 「ちょっと黙ってて!」 レヴァンを制し、集中する。 『私は結晶の中にいる。ただし魂だけだが。身体はそのペンダントの中なのだ』 「なるほど、そういうことね。で、あたしはどうしたらいいのかしら?」 すると、急に声が聞こえなくなった。
/1150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3142人が本棚に入れています
本棚に追加