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「ちょっと、どうしたのよっ?」
思わず出た大きな声。
石でできた室内に反響する。
『いや、すまない。……ただ、お前、きつい性格をしているだろう?言葉がきつい』
その声は少し、恐る恐るだった。
人間ならまだしも、まさか聖獣にまでそれを言われるなんて思ってもいない。
レリアは内心、苦笑いをするしかなかった。
『まあ、いい。お前はそのまま、2つを握っていてくれ。今からお前を伝って、ペンダントへ移動する。ペンダントに眠る、私の身体へな』
聖獣が言い終わるやいなや、レリアは不思議な感覚に襲われた。
身体の中を何かが通り抜けるような感覚だった。
そうだ、これは魔力だ。
魔力が全身を駆け巡るような感覚だった。
それに似た感覚があった。
『やれやれ。ようやく1つに戻れた。封印するなら生み出すな、と言いたい……』
聖獣フェニックスは、なにやら愚痴ともとれるような事をぶつぶつと呟いている。
『にしても、お前。ずいぶんと無理をしたようだな。身体が酷い事になっていたぞ。まあ、だいぶ回復してやったが、おそらく完全とはいかないだろう。以前がどんなものだったかはわからないが……』
「えっ?ウソ?……もう?」
本当だった。
まず第一に、立っているのが辛くない。
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