プロローグ

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「リフクレア一族の1人、リエス=リフクレアは亡くなりました。例の能力の使用過多で……」 ドラクロス王は、少し控えめに言う。 「もう1人がいたでしょう?」 表情を満面の笑みに変えてデイトが尋ねる。 探りを入れているようにもとれる。 「アイリス=リフクレアですか……。はい、確かにいます。いるはずですよ」 「最後のリフクレアはドラクロスにいるのか。……では、ライファーズは?」 エイハブが、誰を指定する事もなく問う。 「最後のライファーズと言われていたレティシアは、3年前にブレヴィルの魔法にかかり死亡してしまった」 デイトはこう言ったが、それは真実でない。 レティシアがブレヴィルの魔法にかかって再起不能になっている状況は、ドラクロス王によって隠蔽されていたのだった。 「ですが、彼女には妹がいたのですよ。正統な血を継ぐ妹が、ね。そう……ジェスさん、あなたが3年前に雇っていた“ホープ”という小さな組織にね」 「ホープ?」 デイトの言葉に、何人かが同時に声を揃え、ホープの名を呟いた。 その主はルモンド、クラフト、そしてエイハブだった。 エイハブのそれは、そんな組織など知らないという、疑問からくるものだったが、後の2人は違っていた。
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