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『まさか……誇り高きライファーズの血が滅びるとは』
話をすべて受け入れたフェニックスが、力無く呟いた。
本当に驚いたような口調だった。
その後、レリアは18年前のブレトスによる襲撃についても言及した。
その日、ライファーズの血が途絶えてしまった事を。
「残念だけどね……」
『ならば私の存在意義とはなんなのだろうか……。ライファーズが滅びた今、私が生きながらえる意味などない』
「ちょっと待ちなさいよ!生き残りはまだいるでしょ?あたしよ、あたしっ」
レリアは思わず割って入った。
なんだか、すべてが終わってしまったような言い方をしてくれているが、レリアにとっての本番はここからなのだ。
これからグロスブルグに行こうというのに、勝手に意気消沈してもらっては困る。
『ライファーズ一族にはお前のような、うるさい人間はいなかった』
ずばりと、フェニックスは淀みなく言い放った。
「なによそれっ!余計なお世話よ!」
本当に失礼な人――いや聖獣だ。
モンスターのくせに、なんだかおかしなくらい人間臭いところがある。
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