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『ほらみろ。すぐに大きな声を出す。いいか?ライファーズとは、この世で1番誇り高い一族なのだ。だから、もっと落ち着いた雰囲気と多少の余裕があるくらいの態度をとらなくてはならない。つまり……』
「あー、もう、うるさいわね!いいわよ、そんなこと!あたしはあたしなの!あんた、誰が復活させてやったと思ってんのよっ?大人しくあたしの言うこと聞きなさい!」
すると、フェニックスは喋らなくなった。
やった、満足満足――。
そう思ったのは始めだけだった。
それから10秒、15秒と、フェニックスはずいぶんと黙り込んでしまった。
「なによ、どうしたのよ?」
『……大人しくしている』
「はあ?なんで拗ねてんのよ」
レリアは、呆れた笑いがこぼれてしまった。
まったく面倒くさい。
声は明らかに中年の男だというのに、どこか子供っぽいところがある。
これからは、このフェニックスと行動を共にしなければならないのだ。
楽しいような、疲れるような、レリアは少し不安な気持ちになった。
『ところで、お前。名はなんというのだ?』
「レリア、よ。レリア=エルレイム。……ライファーズ、ね」
そう、ライファーズなのだ。実感は、まだいまいちなかった。
ともかく、ライファーズだろうがエルレイムだろうが、自分は自分だ。
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