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『レリア、か。私を復活させたからには何か理由があるのだろう?』
待ってました――。
もちろんここからが本題だった。
「えっとね。さっき少し話したけど、グロスブルグ……前のブレトスね。そこに行きたいのよ」
『あの危険な国へ、か?』
「そうよ?文句ある?」
フェニックスの望む通り、落ち着いた口調で、多少の余裕を見せてみた。
『そこに何があるというんだ?』
「なに……って」
『あるだろう?目的が』
声色が探りを入れるように嫌らしい。
放っておくと、ぐいぐいと入り込んでくる。
復活させてやったんだから、しもべなんだから、黙って大人しくついて来なさいよ――。
「さっ、探してる人がいるのよ」
そこにフェニックスの姿がある訳ではないが、何かから目を背けるかのように、レリアはそっぽを向いていた。
これ以上の詮索はしないでほしいというのが本音だ。
『尋ね人、か?なぜ、わざわざお前が?』
しかしどうやらそうはいかないようだ。
「べ、別にいいでしょ。……そうよ!」
レリアは、何もいない正面へ顔を戻した。
「そいつはリフクレアの血を持ってるのよ!あんたも知ってるんでしょ、リフクレア一族」
少し間があった。
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