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その内の1人、視線を落として、足悪さをしていたレヴァンが顔を上げた。
「話は終わったのか?」
少しけだるそうに言う。
「ええ、まあ、そうね」
「ならば、戻るとするか」
さすがに立ちっぱなしは辛かったのだろうか。
そう言い、ニクラスは踵を返す。
ハーティもそれに続き、レヴァンも2人を追おうとする。
レリアはその中で立ちどまった。
右の本棚を見つめ、しばらくそうしていた。
この部屋は、今となってはライファーズの歴史のすべてが詰まっている唯一の場所なのだと、不意に思ったのだ。
裏をかえせば、ライファーズ一族が生きた証は、もうここだけにしか残っていないのかもしれなかった。
その可能性は十分にある。
「どうしたんだよ?」
そんな時、声をあげたのはレヴァンだった。
ニクラスとハーティはすでに姿が見えない。
「別に。ここにはライファーズ一族のすべての情報が詰まってるんだなって、そう思ってただけよ」
「ライファーズ……か」
なぜかため息混じりにレヴァンは言った。
意味深な口調だ。
「なに?なんかあるの?」
「いや、まあ今さらなんだけどさ」
レヴァンは、ばつが悪そうに後頭部をかいている。
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