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「似合ってるよ」
「え?」
レヴァンの目が戻ってきた。
「アイツとお前、お似合いだ」
「えっ?な、なによ!急にっ」
レヴァンは、ほんのちょっとだけ笑っていた。
でもまさか、あのレヴァンが、という気持ちだ。
レリアには、これもまたちょっとした衝撃だった。
それ以上に、焦りの気持ちを隠しきる事ができなかったのが恥ずかしかった。
「お前ら2人とも、なんか馬鹿っぽいからな」
今度は吹き出したように、いつもの笑い方をした。
どこか憎たらしく、小馬鹿にしたような嫌らしい笑い。
普段ならば怒鳴りたくなるが、今日のその言葉は何か温かかった。
だからレリアも、思わずはにかんでしまった。
「絶対、2人で生きて帰って来いよ」
「わかってるわよ」
レリアの強気の言葉を背で受けながら、レヴァンが部屋を出ていく。
その背中はなぜか、レリアには少し凛として見えていた。
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