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「何か知っているのですね?」
デイトが、クラフトではなく先にルモンドに聞く。
立場上、当然だ。
「あ、はい。3年前、例のバルティア襲撃事件にあったとき、彼らに助けられたのです……」
ルモンドは少し俯き、声も小さくなった。
国王としての後ろめたさがそうさせたのだろう。
「ほう……」
「ですが、ライファーズ一族などいなかったように思いますが……。金髪の女性はいませんでした」
ルモンドは今度は声を張った。
デイトは頷き、次はクラフトへ。
「私は、そのホープへ直々に解散命令を下しました。フェルムランドの事件がありましたからね」
クラフトは堂々としており、少し胸を張っているようにも見える。
「そして、そのライファーズ一族についてですが、彼らホープを解散させた際に、戦闘不能になって眠ってしまっていた金髪の女性が確かにいました」
デイトが頷き、ルモンドはその事実を目の当たりにしたためか、はっとしたように目を開いた。
「ならば、最後のライファーズもドラクロスにいるのか……」
エイハブも、驚いたようすだ。
驚嘆というべき声を出した。
「だそうですよ、ジェスさん」
デイトがドラクロス王を見る。
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