3141人が本棚に入れています
本棚に追加
/1150ページ
「ああ、それがいい。では、レリアの依頼は“継続中”とでもしておこうかな」
「また、今度、会うときだね~」
ハーティがニコニコしている。
「ええ。……お別れ、ね」
言ってレリアは少し後悔した。
なんでこんなにしんみりしてしまうような言い方をしてしまったのだろう。
それを合図に、皆はそれようの顔を形成してしまっている。
いや、そんな嫌らしい作り顔なんかではないのだけれど。
少し、別れをためらってしまいたくなるくらい、重い雰囲気に変わったのだ。
「お前、武器もなんにもないじゃねぇか。大丈夫かのかよ?」
『心配はない。私がいる』
フェニックスの声だ。
「え?ああ……なんか、大丈夫らしいわよ」
突然、またおしゃべりでお節介の聖獣が話しかけてきた。
色々と面倒くさいところはあるが、ライファーズを守るのが使命らしいし、どうやら戦闘も大丈夫のようだった。
魔力を使わせてくれたりもするらしい。
「例の聖獣か。興味深いな」
本当にそう思っているのか、と問いただしたくなるくらい、抑揚のない声がニクラスから漏れた。
「んじゃま、気をつけろよぉ」
レヴァンは捨て台詞のように言い残し、背を向けると軽く右手を挙げた。
最初のコメントを投稿しよう!