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その、やけにあっさりとした挨拶を聞き、ニクラスとハーティはレヴァンをちらりと見て訝しんでいる。
が、すぐに顔は戻ってきた。
「そういう事だ。まあ、グロスブルグでは気をつけろ。レイトに会ったらよろしく伝えてくれ」
ニクラスも踵を返す。
「レリア~。ワタシたち仲間だからね~。忘れちゃだめだよ~」
「当たり前でしょ?必ず、ドラクロスに帰るわ。できたら、リーサもいっしょにね」
「うん。ばいば~い」
ハーティが手を振って走って行くと、この場所はレリア1人の、孤独な空間に変わる。
そして今、そのハーティがニクラス、レヴァンに追いついた。
3人で仲良く、肩を並べている。
そう、彼らに甘えられるのは、ここまで。
これからは頼れるのは自分だけなのだ。
ここからは、たった1人でグロスブルグに――。
『では、行くとしようか』
そこで、またしてもフェニックスがずけずけと割って入ってきた。
「もう!なんなのよ、あんた。せっかく人が気持ちを新たにしてるときにっ」
気を削がれたレリアだったが、ある意味そんなフェニックスがいる事は救いだろう。
どこかしんみりしていた心境をすぐに切り替えさせてくれた。
同時に、1人ではないとも思えた。
そして、いざ、グロスブルグへ――。
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